Nothing is difficult to those who have the will.

エロゲとオルタナ。そんな感じ。ちょこちょこと書き綴っていこうと思います。

Illusion Is Mine.2023.10~12

カナリヤです。日常報告シリーズ音楽編。前回はこちら。mywaymylove00.hatenablog.com

寒くなってきましたね。先日頭がガンガン痛くなりまして、せっかくの休みだというのに(むしろ休みでよかったと言うべきか)一日寝る羽目になりました。そういえば寒くなってくるとこの手の体調不良に襲われるような…?最近肩コリもひどいし…。これもしかして気圧差で自律神経やられちゃったりしてるんでしょうか。健康に関しては謎の自信を持っていたので割とショック。とりあえずぬるめのお風呂に入りたいと思います。

 

 

thoroughly blue vol.9

身近に音楽があることの喜び。もちろんタイミングもあるが、下半期精力的にライブに赴けたのはこの日の存在が在ったからこそかもしれない。

mywaymylove00.hatenablog.com

 

 

ART-SCHOOL / KINOSHITANIGHT2023 ~SHIGO NO SEKAI~

特別な時間だった。彼らの進化と、彼のための激しくも穏やかな。

mywaymylove00.hatenablog.com

 

 

THE NOVEMBERS / TOUR -THE NOVEMBERS-


www.youtube.com

12月6日にリリースされた9thアルバム「THE  NOVEMBERS」の先行ツアー。新譜発売に先駆けて開催されたのは「初めての曲を体験するという二度は経験できない機会を存分に楽しんでほしい」というメンバーの思いから。各会場ではライブ後に新譜の手渡しも行われ、セルフタイトルという特別感も手伝って今回のライブはメンバーにとっても、ファンにとっても非常に素敵な時間を構醸成されていたように思う。

初っ端から新譜でもオープニングトラックを飾る「BOY」のダイナミックな曲調で瞬時に会場を沸かすと、ケンゴマツモト氏のリバーブギターと小林祐介氏の伸びやかな声が絶妙に合わさった「Seaside」が続いていく。「James Dean」の特徴的なリフレインギターで会場の熱気は静かに上がっていくのを感じる。

初めて聴くノベンバの曲、という意味では初めて参戦したライブとも似通う部分もあるだろうが、あの時の渇いた感覚とは異なり、彼らの楽曲を心から受け入れ、様々な顔を見せる楽曲たちを抵抗感なく楽しめているということは、それだけ僕の中にTHE NOVEMBERSの居場所が構築できているという何よりの証左と言える。個人的にこの日ベストだと思ったのは「アマレット」のメロウな終わり際からシームレスに「Rhapsody in beauty」へと繋がっていった構成。ライブならではのアレンジは鳥肌モノでこういう瞬間を味わえるからこそ僕は飽きずにライブへ足を運び続けているのだと思う。

林祐介氏がハンドマイクを手にしたと思えば、前作からの人気ナンバーである「New York」とそれに続いて新譜から同様にダンスブルな「GAME」が披露される。方やステージを縦横無尽に歩き回りながら、方や奇声をあげながら会場を瞬く間に支配していく光景は壮観だった。パワフルともメロウとも異なるこの2曲はアルバム単体では異彩を放つものかもしれないがこうして続けざまにライブで披露されると、とんでもなく楽しい時間と化す。まさしく彼らの新機軸と言えるしライブにおけるジョーカー的存在だ。その後も「こわれる」「バースデイ」といった初期からの名曲が華を添えていく今日のセトリはセルフタイトルに相応しい、今と昔が同居する彼らの新しい門出だった。

 

彼らの新しい試みを存分に楽しむ一方で、彼らに対しての屈託をも抱いてしまったのは些か残念だったと言える。

この日のMCでは小林祐介氏から僕ら観衆への感謝が幾度となく述べられた。歴の浅い僕でも何度も聞いた、「いい未来で会いましょう」という言葉にも触れ、「その未来に皆さんのおかげで連れてきてもらった」と。これは個人的な嗜好だが、僕はクリエイターとはなるべくなら一定の距離を置きたいと考える人間だ。僕は彼らの作品を消費するしかない存在だという思いもあるし、"彼らとは違う人間なんだ"という意識を常に持っているからこそ僕は彼らに魅了され続けているんだと思うのだ。

もちろん彼らは普通の存在だ。言葉も通じるし笑い、そして泣く。ただこの日はしつこいほどに感謝の念を伝えてくることに、言葉は悪いが"媚び"を覚えてしまったのだ。僕の憧れが同じ視線に降りてきてしまった、そんな悲しい感覚。メンバーから新譜を手渡された瞬間も、直接「ありがとう」と言われた時も僕は何を喋っていいかも分からなかった。伝えることなど何もなかったからだ。ここにいること。それだけでは駄目だろうか。僕に真っすぐ目を向けてくれる彼ら。周りの人のようにプレゼントを渡したり、フレンドリーに話しかけることなど、僕にはできなかった。理解することを放棄し、誰かを神聖視する僕の悪い癖。あくまでも、僕の矮小さに起因することであることが何よりも腹立たしい。

 

 

ART-SCHOOL / ACOUSTIC TOUR「NOSTALGIE」

つい先日のライブ。ああいう緩やかな時間の流れの中で彼らを聴いたのははじめての経験だったかもしれない。叶うのならば、いつでも思い起こせるように、ポケットに忍ばせていたい。

mywaymylove00.hatenablog.com

 

 

ZAZEN BOYS / 永遠少女


www.youtube.com

2024年1月24日にリリースされる6thアルバム「らんど」からの先行シングル。ZAZEN BOYS、というよりも向井秀徳という男にはこれまで明確なメッセージ性を感じたことはなかった。くりかえされる諸行無常。よみがえる性的衝動。冷凍都市のくらし。アイツ姿くらまし。猫町。遊び足りない。本能寺で待ってる。安眠棒で殺された。ポテサラが食いてえ。ひとつひとつの言葉に意味を見出す、というよりもその言葉に個々人が何を思い浮かべるか。上っ面ではなく、本能に訴える。お前はどうだ?と。それだけで言葉は万の意味を持ち始める。オレ押さえのギターの音色に乗せて、誰もが向井秀徳の価値を理解できるのは自分だけだとでも言うように、そんな思い上がった感覚とともにその緊張感ある音圧へと吸い寄せられていく。それがZAZEN BOYS向井秀徳だったはずだ。

「1945年」という言葉に込められたあまりにも鮮明な光景。その後に続く過去多くの誰かに降りかかった、生き抜くためだけの凄惨な記憶を呼び起こす言葉の羅列が過剰なまでに生々しく痛々しい。過去という拭えない現実をただただ曝け出していく向井秀徳の飾り気のない言葉には禍々しい力がある。曖昧で夢うつつ、時に本質を突きながらもあくまで酔っ払いの戯言と思わせてくれていたからこそ、これまでの僕は正気でいられたのかもしれない。心臓を掴まれた気分だ。歪んだギターのリフレインが耳からこびりついて離れてくれない。

母、という歌詞に必要以上に取り乱してしまったのは、初めての経験だった。乗り越えたと思っていた。鏡の向こうの、いや写真の中の母の姿はいつまでも愛らしく、美しい。少女のような無邪気な笑顔が好きだった。社会の見たくなかった部分を見るに連れて、その眩しさはどんどん膨れ上がっているように思える。どこにいるのだろう。探せ。探せ探せ探せ。仄暗い記憶の底から、過去の僕が無邪気にそう叫んでいる。

 

 

 

この3ヶ月はライブ多めでした。機会があったのも大きいですが出無精な僕としては珍しい。まぁ出費もなかなかのものでしたが、得られたものは遥かに大きい。来年も逃さずに豊かに生きていきたいものです。

それでは。