Nothing is difficult to those who have the will.

エロゲとオルタナ。そんな感じ。ちょこちょこと書き綴っていこうと思います。

最近あなたの暮らしはどう 2024.1

カナリヤです。新年一発目は最近さぼりがちだった日常報告シリーズノベルゲーム編。

前回はこちら。

mywaymylove00.hatenablog.com

今回はすべて商業エロゲ回。去年の更新がちょいちょい抜けていますが、そこはご愛嬌。正月気分も強制的に解除されたことですし、気合を入れていかねば。あー働きたくない。

 

クナド国記


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PurpleSoftware」作品。"人類の命運を賭けた戦い"後の人々の希望や幸せを見出していく和風ファンタジー。作中でも語られていますが所謂なろう系。遥か先の未来という実質異世界での常識に主人公が振り回されつつも現代知識をもとに人々に変化を促していく過程は見ていて楽しい。

"鉄鬼"という明確な敵との戦いを重視するあまり単純でシステマチックを是としてきた農耕時代から、「個」を重視する「自由」を新時代の希望や幸せと位置づけて様々な施策を打ち出していくのはなかなか痛快でした。特にヒロインである優里のルートは何者でもなかった少女が夢を抱く過程を丁寧に描いていて非常に読み応えがあったと思います。

ただ満足感の高かった優里ルートに比べて双子ルートや春姫ルートが個々人の成長というよりも作中で鏤められていた真相解明に重きが置かれているせいもあってか、個人的には肩透かし感。最終盤もなんでもありのご都合主義の展開には不満が残ったのも正直マイナス。

中盤までの新たな国作りの過程には大満足でしたが、それ故に風呂敷の畳み方に疑問が残ると言いますか。そもそも本作が作中の選択肢でヒロインの好感度が上下しルートが確定するようなものではなく、ヒロイン脱落方式であることによって最初に提示されたヒロインの有里ルートで満足してしまったというのが個人的にモヤモヤ感を助長してしまったようにも思えます。まぁ優里と双子が可愛かったので良し。あと燕にもっと出番があればなお嬉しかったなぁ。

 

 

ジュエリー・ハーツ・アカデミア


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「きゃべつそふと」作品。意志(ジェム)と絆によって世界を救う物語。同ブランド作品「アメイジング・グレイス」や「さくらの雲✳スカアレットの恋」で一躍名を上げた冬茜トム氏お得意の伏線回収の手法は今作も健在。中盤の"あのCG"には心底驚かされました。今思えばあからさまなヒントだったと思うものの答え合わせの時点で気づけなければ、それは負け犬の遠吠えよ…。相変わらずトム氏のこちらの常識の隙間を掻い潜ってくる感覚には恐れ入る。

本作は過去作品と比べて戦闘描写が多くあるも可愛らしさを押し出した絵柄がどうしても足を引っ張っており、場面毎の一枚絵や演出に乏しい点においても迫力不足は否めません。それでも"あのシーン"の血の気の引くおぞましさはこの愛らしさでなければ生み出せなかったと思うと最適解とは言えずとも選択肢としては有りだったのでは、とも思います。あの瞬間の、彼らに抱く心象がものの見事にひっくり返されるのはやっぱり気持ちが良いものです。


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序盤から丁寧に手掛けたこれまでの違和感が一気に回収される中盤はグイグイ引き込まれたものの、それ以外は気を削ぐ展開も多めだったのは評価の難しいところ。具体的にはやはり全編に渡る戦闘描写や最終盤の力技。今思うと、例えば登場人物はそれなりに多いのに立ち絵有りのキャラはそこまでだったり、ただでさえ不足しているエフェクトが何度も多用されていたりと、なんだか細部に不満点を挙げればキリがない作品でもあったような。これぞ!と思わせる部分はあれど決して手放しでは称賛できない、プレイした人をして何か一言物申さずにはいられない、そんな振れ幅のある作品だったということでしょうか。

とはいえエロゲ業界においてこのような作風は珍しく、またハードルを上げながらも一定の満足感を抱かせる冬茜トムというライターはやはり貴重な存在だと改めて思うのです。次回作も楽しみにしております。

 

 

君と目覚める幾つかの方法


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Navel」作品。「9-nine-シリーズ」「なないろリンカネーション」「あけいろ怪奇譚」などで知られる、かずきふみ氏ライター作品。

オートマタと呼ばれるアンドロイドが普及する近未来の日本が舞台となる作品。のっけから人身売買やら殺人事件やらと物騒な空気感を醸し出していたものの、登場人物達のノリが軽めで気負いなくさくっと楽しめましたね。と、こう書いてしまうと不謹慎にも聞こえてしまいますが、作中では締めるときは締め、緩めるときは緩める。シリアスとコメディのバランスを上手く保って両者のラインを越えることなくメリハリの効いた上質な作品に仕上げている印象です。

かずきふみさんの作品はほとんどプレイしていますが、重めの作風でもエンタメという芯がブレず、かといってコメデイ要素のクドさも抱かせない希有なライターさんだと感じており、それは本作においても同様です。掛け合いの面白さは相変わらず安定していますし、こうして安心して読ませてくれるのはありがたい。全体的に共通シーンが多めなのもあってお話自体の満足感はそこそこですが、十分に良作と言っていい作品。

 

 

 

1月は久しぶりに商業のエロゲを遊んでましたね。ここ最近は同人ノベルゲばかりでエッジの効いた作風多めの印象でしたが、原点?に立ち返っての商業作品もエンタメに舵を切っていて思いの外楽しめました。まぁそういう作品を選んでやってただけなんですが。とは言え同人ゲーム特有のスパイスを効かせた作風も恋しくなってきたので2月からは色々手を出していきたいですね。それでは。