Nothing is difficult to those who have the will

エロゲとオルタナ。そんな感じ。ちょこちょこと書き綴っていこうと思います。

遅ればせながら、ゆずソフト「サノバウィッチ」の感想を書いてみる。その1.主人公への明確な共感

ようがす!(挨拶)

カナリヤです。今回からゆずソフトから発売されましたサノバウィッチの感想を数回に分けて書いていこうと思います。遅え。いつ発売したと思ってる。久々のエロゲ記事。なんか一年くらいぶりらしいです。僕の本質はエロゲーマーです。

 

まず、こうして「サノバウィッチ」の感想を書く経緯を簡単に。社会人になってエロゲをプレイしていくとプレイが雑になっていくなぁと感じることが多々あってですね。具体的には作品のうち何人かを攻略して…悪く言うと好みの女の子を何人かつまみ食いして終わることが、まー増えました。もはやデフォになりつつあります。

ヒロインごとの主題であるとか伝えたいことが細分化されているんだろうなと頭では理解しながらも時間が制限されていく中でよっしゃ作品の全てを受け止めてやるんだ、という気概が僕の中でだんだんとおざなりに。あかんよね。

でもまぁそんななかでも全ルートコンプリートしたったわ!っていうエロゲもあってですね。「サノバウィッチ」もその数少ないひとつです。今作のなにが自身の琴線に触れたのかと言えば、やっぱりそれは主人公へのあからさまな共感だったのかなと思うわけですよ。

 

主人公への共感

物語冒頭、主人公は自身の癖について言及しています。本心よりもその場の空気を重視して人の頼みを断らない、という癖。主人公は他者の抱く感情を読むことができるのですが、その感情はそれがどんなものであれ自身に五感への刺激でもって伝達されてしまうというもの。そしてそれは主人公のコントロール下にはなく常に勝手に流れてくる情報でしかありません。これがまだ好意的なものであればまだいいものの悪感情を伴うものであれば苦味や頭痛といった刺激にも強制的に変換されてしまいます。感情が強ければ強いほど、多ければ多いほどその刺激もまた激しいものとなって主人公を襲います。主人公は幼い頃に周囲が自身に向ける渇いた感情による苦痛を感じ取って以来、他人との間に明確に距離を置くようになります。そうやって極力周囲を刺激しないように、他人から負の感情を寄せられないように努めるようになります。時に面倒ごとを押し付けられようともできうる限り従順に。

けれど自身の気持ちに背を向けて、蓋をして、ぎこちない笑顔を浮かべながら日々を漫然と過ごしていくことは徐々に心の摩耗を引き起こし、そしてその弊害は周囲にも異常と受け止められるくらいに表面化していくことに。

曰く、「死んだ魚の目をしている」

曰く、「諦めを受け入れている」

主人公は偶然にも魔女である綾地寧々が回収していた人々の心の欠片を自身に取り込んでしまいます。心の欠片とは心のバランスが崩れ、溢れすぎた余分な感情。摩耗した主人公の心にはいつのまにか穴が空いていました。他者の心の欠片を吸い込んでしまうほどに大きな。しかし他者のものでは穴を塞ぐことはできません。主人公が諦めてしまったことで生まれた空虚の前にはそんなものはハリボテに過ぎないからです。

 

この主人公の置かれた状況ってのは、日々が摩耗していく感覚ってのはある一定の年齢を迎えた人にとっては誰にでも当てはまってしまうものなんじゃないでしょうか。少なくとも僕にとってはただただどストライクで。創作だと分かっていながらとてもじゃないけど他人事のように思えませんでした。

「サノバウィッチ」ってそのままSon of a Witch=魔女の息子なんですよね。僕はてっきりタイトルの下に表示されてるSabbat of The Witchのことかと思ったんですが。出典のない某フリー百科事典の情報なので鵜呑みにしていいか分かりませんけど、これは、この「サノバウィッチ」は魔女の息子である主人公の、保科柊史の物語なんだってことに妙に納得してしまったんですよ。

主人公はちゃんと笑える生活がしたい、と心の穴を埋めるために一歩踏み出す決意をしました。それを見守りたくなったんでしょうね。青臭いね。でもそうやって共感してしまった主人公が手探りで大事なものを見つけていく、他人の大事なものを大切にしていく姿がとんでもなく輝いて見えました。見えてしまいました。

 

 

実は今作は再プレイになります。プレイ当時は「これおもしろかったなー」で留まっていたお話に過ぎなかったんですが、なんかしこりがいつまでもあって。こうして再プレイ&記事作成に至った次第。全部が全部おもしろいと思ったわけではなくて、不満なんかももちろんあるんだけど、受け止められたことの証左として残しておきたくなりました。

 

さて今回はこの辺で。次回からはルート毎に綴っていこうと思います。最初は年上の魅力でウブな後輩主人公を翻弄する、と思ってたが、なんだか様子が違うぞ?ようがす先輩ルートに関して。それでは。

がってん!(挨拶)