Nothing is difficult to those who have the will.

エロゲとオルタナ。そんな感じ。ちょこちょこと書き綴っていこうと思います。

最近あなたの暮らしはどう 2022.11

カナリヤです。日常報告シリーズ同人ゲーム編。前回はこちら。

mywaymylove00.hatenablog.com

おコタが温い。おコタが気持ち良い。12月に入っていよいよダメ人間製造機に蹂躙される季節がやってきましたね。まったくもう。ぬくぬく。

 

 

深夜徘徊のための音楽 beats to relax / stray to

novelgame.jp

「Plastic Tekkamaki」制作。Lofi Hip Hop付き短編デジタルノベル。くっつき過ぎず、離れ過ぎず。程よい距離感を保った兄妹が深夜の街を歩きながら取り留めのないお喋りをする、ただそれだけのお話。解像度を落としたグラフィックや全編に渡って流れるLo-Fi HIP HOP、そこに溶け合うように自然と差し込まれる環境音がたまらなくエモさを助長します。

意味のない会話。意味のないやり取り。小出しされる情報にも、他意はなくただただ兄妹の会話を眺めるだけの非常にシンプルな構成ですが、終盤になってこの「会話の時間」が急激にその価値を変えていきます。ありふれた日常だったものはその実気がつけば手からこぼれ落ちるかけがえのないもの。僕らの永遠は、とてもとても、短いものなのだと思い知ります

紹介文通り眠れない夜の、その寂しくも穏やかな時間にこの作品はよく映えそう。まぁ僕はがっつり昼間にやってしまいましたが、負担のかからない本作の雰囲気は非常に好ましい。近いうちに他の作品もやってみよう、今度はおすすめ通りの深夜にでも。

なお作中で使用されたBGMはこちらで無料公開されているとのこと。

plastekk.bandcamp.com

 

NOeSIS -嘘を吐いた記憶の物語-

www.freem.ne.jp

サークル「クラシックショコラ」制作。元々はAndroidiPhone端末用に開発されたもので本作はPC対応版。

連続怪死事件に端を発した狂気の物語。演出に惹かれるものはあれど個人的にはいまいち合わなかった印象。厨ニテキストというものはそれ自体が作者の剥き出しの個性をぶつけられているようなもので、そのエネルギーに目が離せないほど夢中にさせられることもあれば、その熱さについていけずこちらの熱が冷めてしまうこともしばしば。お互いの感性がかち合うことがなければいつまでもブーストがかかってくれないのだ、ということを改めて。

ただ本作はあくまで序章で、かつこれとは別にリメイク版が制作されているようで、シリーズを漏れなくプレイすればまた違った印象を抱けるかもしれません。

 

彼岸ノ此岸

www.youtube.com

サークル「nuko」作品。長編ビジュアルノベル

"僕"は気がつくと、薄く霧がかった黎明の世界にいて、そこで青白い光とそれを追い回す人の形をした"何か"を目にする。見るからに異様な光景。そして思い出せない記憶。森に囲まれ閉ざされた環境で自身と同じ境遇の仲間たちと出会う。不安に苛まれながら、僕らは夢のような世界で自分自身の夢を見る。ここは現実なのだろうか?それとも幻なのだろうか?

主に"僕"による一人称視点で紡がれ、閉鎖空間に投げ出された男女が織りなす「停滞」と「決意」の物語。本作はおおよそ三部構成に分かれていて、最初はなにも状況のわからない中でこの世界のことや彼らがここにいる理由が徐々に明らかになっていきます。ただ構成自体は奇抜でもなく淡々と落ち着いた内容が続きますので一見すると地味な印象を抱きますが、不可思議な雰囲気を醸し出すBGMが非常に良い味を出していて独特な非日常感を際立たせています。

登場人物たちの行動にやや違和感を覚えることもありますが、あえて不明瞭なまま終わらせることもできたお話を曖昧にすることなく現実に即したメッセージ性を示したことは他と差別化がなされているのではないかと思います。

マルチエンディングではあるものの基本的に一本道で描かれる優しいお話。飾り気のない内容は名作という評価にはならずとも、この雰囲気に浸っていたいと思わせてくれる一品でした。

 

 

12月はなかなか余裕ができなさそうでしばらく消化できない日々が続くかもしれません。余裕ができたら思う存分大作をがっつりやりたいところ。