Nothing is difficult to those who have the will.

エロゲとオルタナ。そんな感じ。ちょこちょこと書き綴っていこうと思います。

最近あなたの暮らしはどう 2022.1

カナリヤです。日常報告シリーズ。前回はこちら。

mywaymylove00.hatenablog.com

このところめっきり寒くなってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。僕はというと同人ゲームをしこたまやっておりました。あまりやること変わってませんね。

 

 

MINDCIRCUS


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サークル「Summertime」作品。アル中の医大生がバカンスで訪れた孤島で巻き込まれた殺人事件の真相を追う。古き良きADVは徐々にキャラクターの負の部分に迫っていき、そのトリップを誘発するかのような狂気じみたテキストとこれまた白昼夢を思わせる現実感のないBGM、無機質なドット絵は容易に僕らを溺れさせてしまいます。出来損ないの人間どもだって、生きてていいんだぜ。とはいえ、予定調和はつまらないけどね。

 

ベオグラードメテロの子供たち


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同じくサークル「Summertime」作品。未完成のまま打ち捨てられた地下鉄の哀愁と少年少女の劣等感が絶妙に交差したサイキックサイコサスペンス。思春期特有の繊細な心理描写にくぐもったVaporwaveの音色が重なると、彼らの逼迫した感情までもが伝わってきます。前作「真昼の暗黒」と同様作中作という体で語られる事実と虚構が入り混じる構造は、それ自体が作者とされる人物の願望であったり鬱屈とした感情故のものなのだと気がつくと、彼の心の内はきっと誰にも理解できないものに昇華していくんじゃなかろうか、なんて思ってみたり。

 

雨音と自動人形 結


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サークル「datchi」作品。フリーゲーム。バス停で主人を待ち続ける盲目のアンドロイドと人の記憶を封じる「封じ屋」の男との出会いの物語。しとしとと降る雨音と流麗なBGM、効果的に差し込まれる演出は非常に良質。2時間程度と決して長くはないもののも雨上がりのような気持ち良さを感じられる作品でした。

 

音無き世界その代わり

unclesheepclub.web.fc2.comサークル「羊おじさん倶楽部」作品。言葉無き者たちのための断罪ADV。世界から悲しみが消えることを願う男と音を持たない少女が、『言葉』によって翻弄されていく物語。三人称による丁寧に事実を淡々と羅列していく文体は、目の前の不幸を優しく洗い流してくれます。しかしそれはあまりにも悲しい真相が嘘偽りのない真実なのだと突きつけることにも繋がるということにも気づきました。崖から落ちた者は、後は這い上がるだけでいい。ただしその地点が底なのであれば、の話ですが。

言葉は魔法だ、だからこそ人の手に余る。

 

西暦2236年の秘書


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サークル「Chloro」作品。フリーゲーム。同作品「西暦2236年」の前日譚となるSFビジュアルノベル人工知能秘書マスコとのほのぼの短編、と見せかけてエッジの効いた疑問を投げかけてきます。人間と人工知能の違い。意思の有無。見えているもの。論理式で導いた当然の帰結。マスコは可愛い。マスコは怖い。でも、やっぱり可愛い。

 

西暦2236年


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サークル「Chloro」作品。わたしをフカンするノベルゲーム。コミュニケーションツールが高度に進化した作中世界において自己とはあらゆる意味で希薄になってしまいました。ただそれはなにも作中だけではなくて僕たちにも通じるものが在る気がしてきます。「水」に溶け合った意識の集合体を疑問なく活用する彼らは、絶え間なく流れてくる情報の海を泳ぐ僕たちのよう。そんな世界で奇跡のような出会いは自身の確立にはもってこいの事象でした。

ハル・シオンという少女への思慕。99件のメール。そうであるに違いない。そうではない、なんて有り得ない。そうなることが当然で自然で見え透いた真実。だってこんなにも劇的なのだから。だからこそ何千時間もかけて、彼らは恋をする。愛を知る。彼女と彼は、恋愛してしまった。ああ、だからこそあなたは期待に応えようとしてくれたんだろう。それはひどく甘美だったから。美しくも泥臭い、一途で愛おしい物語だったから。

「君は答え、見つけた?」

 

I AM

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サークル「人工心象」作品。孤独を愛する主人公と彼を慕う女の子との哲学系サウンドノベル。主軸となるのはタイトルにも使用されているイギリスの詩人であるジョン・クレアの作品「I AM」ですが作中登場する様々な書物への薀蓄は読んでいるだけで楽しい。作者の創作物に対する博識ぶりが窺えます。また作中で垣間見せる主人公の創作物における主題を自分なりに汲み取り自身にきちんと落とし込もうとする姿勢は日々創作物を楽しむ僕としても好感の持てるものでした。僕はそう在れているのだろうか。そう在りたい。今はまだ物語を楽しむだけで精一杯な気がします。うん、まだまだこれからだ。

 

 

「今月はあんまり消化できてないなー」とか考えてたら、なんだかんだこなしていたみたいでビックリ。もはや感覚が麻痺しているのだろうか。まだまだ積んでる作品はいっぱいあるし、なんなら増えてしまったくらい。どうしてこうなった。それではまた。