Nothing is difficult to those who have the will.

エロゲとオルタナ。そんな感じ。ちょこちょこと書き綴っていこうと思います。

年の瀬なので、2021年(にプレイした)ノベルゲーベスト10を発表してみる。

カナリヤです。本日は2021年にプレイしたノベルゲーのなかで特に面白かった作品をランキング形式で10作品挙げてみたいと思います。

なお昨年の年間ベスト10はこちら。

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さて、ベスト10発表の前にルールとしまして、

  1. 発売時期は問わない
  2. 2021年内にプレイしたものに限定
  3. 再プレイ作品は含めない

ということを念頭に置いて読んでいただければ。また選出した作品についてより言及した過去記事を載せておきますのでよければこちらも。

ちなみに昨年と微妙にタイトルが違うのはこれからのラインナップを見れば自ずと分かるというもの。

 

それでは始めます。

 

第10位

白昼夢の青写真


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アダルトゲームブランド「Laplacian」作品。3つの異なる物語が、やがて1つの物語へと収束していく壮大なお話。エピソード毎に趣の異なるUIやメインテーマ曲をそれぞれ用意するなど丁寧な作品づくりが素晴らしい。なんでもエロゲ製作からは撤退するようで残念ではありますが、ノベルゲー自体の製作は続けていってほしいところ。

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第9位

WORLD END ECONOMiCA


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サークル「Spicy Tails」作品。先日プレイしたSF経済ビジュアルノベルがここでランクイン。取っ付きにくそうな題材ながら少年漫画のような王道を全編に渡って貫いてくれたのは読んでいて非常に気持ちが良いものでした。シニカルでクソ生意気な少年が世間の恐さを知り、再び立ち上がり、洗練された「大人の男」へと成長していく様はいつだって人々の共感を集めていくものです。発売からだいぶ経ってプレイした僕が言うのもなんですが、これ、もっと知られていい作品だと思います。

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第8位

虚構英雄ジンガイア

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「来い、ジンガイア!」

サークル「ばかすか」作品。この「いつか”父親”になる」物語は冗長とも言えるくらいに壮大で、おびただしいほどの無力感を幾度となく抱えながら絶望に立ち向かう姿はあまりにも痛々しい。それは信念か。それともいっそ狂気と呼べてしまうものなのか。誰も覚えていない彼の苦悩と、彼らの戦いの末に得たものは、間違いなく英雄潭と言えるものでした。たとえそれが決して語られはしないものだとしても、「英雄」は確かにここにいたんです。それを僕は忘れたくはない。

…なんかこれを語るときはどうしても内なるポエマーが顔を出してしまう。いや、でも自然とそうなっちゃうんですよ…。

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第7位

闇を奔る刃の煌き


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サークル「影法師」作品。時代劇+和風伝奇ビジュアルノベル。おしどり夫婦による痛快!成り上がり立志伝!!(嘘は言ってない)前だけを向き、前だけを走っていた男の物語の行く末は果たして。勝てば官軍。柔よく剛を制す。情けは、人の為ならず。この言葉の意味が反転するとき、すべての前提がひっくり返ります。

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第6位

グレイメルカ


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サークル「シニカルとレトリック」作品のSRPG。いやぁハマりましたね。LV上げのための単純作業にめっさ時間を割いてしまったためプレイ時間がだいぶ嵩みましたが、単純にゲームとして非常に出来が良く終始ダレずに楽しみました。なんならクリア後心地良い疲労感を覚えながらも、なんとなくまた最初から始めてしまって「いやいや何してん自分」とふと我に返ってこともあったくらいです。フリーゲームとは思えないお話の重厚さ。絶妙なゲームバランスはきっと未来永劫色褪せることはないでしょう。とはいえ体術MAXはほどほどに。

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第5位

The Beautiful World

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エロゲ情報誌「テックジャイアン」に収録された推理サスペンス。未完に終わった作品を5位という高順位にすることには少なくない抵抗がありますが、作品を知る人が口々に名作だと宣うその圧倒的な魅力は本物。空虚かつ淫靡、そして狭く歪んだ人間関係のなかで繰り広げられる箱庭的世界観はたまらなく美しい。続編の可能性がないことを多くの人が確信していながらも、それでも、と願ってしまうのはそれだけ本作が人々の琴線に触れる要素を秘めているからなのでしょう。

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第4位

親愛なる孤独と苦悩


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サークル「楽想日」作品。「観念」に振り回されながらも日々を懸命に生きる人々に贈る、ライフハックノベル。今回のランキング作品の中では分かりやすい突出したインパクトはないかもしれませんが、あと10年20年経って振り返ってみた時に「あれ良かったよなぁ」と思い出すのはこういった心を軽くしてくれたものなのかも。それだけプレイ当時の僕には優しく響いてくれました。

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第3位

真昼の暗黒


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サークル「Summertime」作品。どこにでもある普通の団地で突如として起こった猟奇殺人事件を巡るサイコサスペンス。ある意味4位とは対照的な選出になりました。この全編に渡ってまとわりつく「気持ち悪さ」は夏のうだるような暑さが理由じゃない。きっと人間の汚い部分をのみ抽出しているからだ。姑息で醜悪で自己愛しかそこにはない。綺麗な部分なんて何一つない。人に見せびらかせるものなんて何一つない。でも僕はそこにこそ惹かれてしまう。だから僕もまた綺麗ではないんだろうね。

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第2位

死月妖日

創作サークル「New++」作品。毎年四月に起こる不可思議な猟奇殺人事件に端を発した長編サイケデリックホラー。今年僕のプレイした中で一番の問題作意欲作です。累計プレイ時間118時間を記録した本作はそのプレイ時間を必要とするだけの価値がありました。複雑怪奇な事件の数々が小さく弱い人間たちの手によって地道に読み解いていく行為はあまりに鈍くいっそ馬鹿馬鹿しい。でも諦めなかった彼女たちがようやく得た幸せの光景は思わず笑みがこぼれてしまうはず。ミカかわいい。

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第1位

ハルカの国「大正星霜編」

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サークル「スタジオ・おま~じゅ」作品。僕が今年最も泣き、最も興奮し、最も感動した作品はこちらです。5位「The Beautiful World」の時にも触れましたが、未完の、それも連作のうち1本を選出するのはどうなのか、と思わなくもありません。ですが画面の中で繰り広げられる物語にあれだけ心動かされ、胸を打たれたことは未だかつてありませんでした。

現在は第四編となる「大正決戦編」が制作中とのこと。おそらくはきっと本作に勝るとも劣らない傑作になることと思います。なんだったら来年の年間1位はもう確約してしまってもいいかも知れません。そんなハードルを高くしてしまうくらいには、そしてそんな思考停止をしてしまうくらいに、僕はこの「ハルカの国」に惚れ込んでしまいました。

願わくは来年、予想通りになってしまった未来に「予定調和はつまらないよね」なんて天の邪鬼な文句をつける自分がいてくれたら良いと思う。

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ということで今年1位に選出したのは「ハルカの国」です。今年は非常に選出が難しい年となりました。選出に関しても泣く泣くランキング外にしてしまったものもいくつか。あくまでも差はほんのわずか。あんなに面白かった作品をランキングから外す行為はなかなか心苦しくいっそベスト20くらいまで拡大してもいいのでは?と思ってしまうほどに。いや別にしてもいいんだけどやっちゃうと際限ないし。

そんな嬉しい悲鳴を上げることになってしまった理由は今年になって突如として僕が同人ゲーに目覚めてしまい年間ベスト級の作品を貪るようにハイペースでプレイしてしまったが故にです。もうホントおすすめされたものを躊躇せずノータイムで遊んだ毎日でした。

 

昨年の年間ベスト記事の最後で僕は「2021年は楽しかったと言える年にしたい」と書いていました。とんでもなく悲しいこともありました。それでも趣味において言えば文句なしに楽しい一年でございました。一年の最後にそう言えることはきっと幸せなことなんだと思います。

来年も楽しく日々を過ごせますように。