Nothing is difficult to those who have the will.

エロゲとオルタナ。そんな感じ。ちょこちょこと書き綴っていこうと思います。

最近あなたの暮らしはどう その4

カナリヤです。日常報告シリーズの第4弾。前回はこちら。

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気楽に書ける、というのは最大のモチベーションなんだろうなぁとふと。

 

映画

王様になれ


映画『王様になれ』予告編

オルタナティヴ・ロックバンドの重鎮「the pillows」結成30周年記念企画「Thank you, my highlight」の一環として制作された映画。しかもよくあるドキュメンタリーではなく脚本有りのちゃんとしたやつ。「なんで映画?」っていう疑問は、まぁそれ含めなんとなくピロウズらしくてそれがいい。たぶんOasisの前座を断ったときと同じ理由だよきっと。

長らく観ることなくここまで来てしまいましたが、理由としては同じく生粋のバスターズである実兄からの評価が芳しくなかったことがなんとなく引っ掛かったとしか。あと言い方は悪いですが、たとえ公式だとしても音楽ではない分野でわざわざピロウズを賞賛することに忌避感があったのかもしれません。めんどくさいねこのカナリヤって人。

最近になってAmazon Primeに追加されていたのを知り、ようやく重い腰をあげて観てみたのですが、実に真っ当な青春映画でなんだか安心してしまいました。祐介の等身大の出来損ない具合だったり、ユカリのパトリシア感。ラーメン屋店長の叔父さんが気づいたらなんか首痛めてたり。ひなっちナカヤマシンペイが案外良い演技してたなぁなんて。シュリス宮本の立ち位置もおいしすぎるでしょとか。さわおさんと言えばネギだよね諸々。そういう和やかさにピロウズの楽曲が乗る心地よさ。すっごい普通。なんだ、普通に面白かったじゃんって。決して名作という評価にはならないけれどバスターズに限らず観た人がこぞってほっこりする、そういう普遍的な映画でした。

あぁ、それともうひとつ。中盤に流れる「ハイブリッドレインボウ」の使い方がホントに素晴らしかったと思うんですよ。「選ばれなかった僕らでも明日を持ってる。なんて本当かよ?明日なんてどこにあるんだよ」っていう彼の悲痛な叫びが聞こえてくるようで、実に見事に心を穿つ。

音楽は人を助く。けどそれは前を向いた人間の背中をほんのちょっとだけ押す程度の軽さでしかない。明確に「音楽に救われた」なんて物言いは仰々しいことなんじゃないかと僕は思うのです。なんだかんだ乗り越えたとしても「そういえばあの曲にはこんな歌詞があったなぁ」なんてふと思い出す程度の。それがきっと血肉になるってことだと思うんです。

「お前の夢はお前が叶えるんだ。誰かのおかげとか誰かのせいとか、他人に縋ってんじゃねえよ」

ファニー・バニーは決して耳聴こえの良いだけの歌なんかじゃないよ。

 

エロゲ

アメイジング・グレイス


アメイジング・グレイス OPデモムービー

きゃべつそふと作品。Twitterでは幾度となくその名を聞き及ぶ名作との呼び声高い本作。フォロワーさんの勧めをきっかけにプレイしましたが、いやぁ面白かったですこれ。気になる点は多少あったものの伏線回収の妙をここぞとばかりに。願わくば記憶をなくして真っさらな状態でもう一度プレイしたいものです。ミューズをっ…!憐れな僕にミューズのお恵みをっ…!!そんな作品です。詳しくは下記の記事に書いてますのでよろしければ参照をば。

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青春フラジャイル

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紫最新作。僕はもう紫作品に首ったけか?ハマった切っ掛けになったのはアマツツミ、アカイトリを手掛けた所謂御影氏ラインの作品でしたが、今作は鏡遊氏ラインによるもの。青春、という言葉に相応しい軽いノリの日常パートは非常にテンポが良く楽しめました。個人的に近年の紫作品は「和やかな日常に潜む抑圧された鬱屈」が魅力だと感じていたのですが、ライターが異なる本作でもそれは健在であり、このメーカーが作品を作る上での土台として掲げているものなのじゃないかなと思ってます。このダークさに惹かれた僕としては随時他の作品もやっていきたいと思う所存。

ただ一点不満を言うならば、本作のテーマである青春が崩壊する描写、いわば「転」に当たる部分がやや唐突に感じられたことでしょうか。「結」についてはなかなか力技ではあったものの元来の軽いノリと合わさってか読後感は悪くはありませんでしたが、伏線の匂わせがもう少し丁寧に展開されていれば…。ただそれを阻害したであろう軽いノリを楽しめたという事実もあり、このあたりはトレードオフなのでしょうかね。

まぁ一番の収穫は何と言ってもリズ。なんだろうこの可愛い存在は。克氏の艶めかしくも愛らしい絵柄は元々すんごい好みなんですが、このリズというヘッポコ魔法使いの醸し出すカリスマ感は一体なんなんでしょうね。外国人の偏った日本観というテンプレ具合や食欲魔人な意地汚さ、自分の欲望に忠実でさんざん迷惑かけておいてたまーに正論で人を説いたりと、もうこの娘の一挙手一投足から片時も目が離せなくなってしまう。いやぁ実に素晴らしい。全力でお尻を蹴ってやりたい。最初にリズルートを選んでしまったが故のリズロスを不安視してましたが、こいつ色んなところで出張ってくるんでホント助かりました。リズマジ天使。マジうざい。マジ可愛い(語彙力)。

サクラノ詩


サクラノ詩 -櫻の森の上を舞う- OPムービー

枕作品。最近シューゲイザーがいい、シューゲイザーがたまらんとTwitterで呟いていたら「シューゲイザー好きならばこんなエロゲ曲がありますよ」というフォロワーさんからの情報を得て一念発起しプレイせんとす。プレイ時間の長いエロゲというのがもはや褒め言葉ではなくなって久しい時代に合ってそんな時流とは逆行するような作品をここにきてプレイすることになるとは思わなんだ。しかし、しかし、この素晴らしい読後感に支配された今となってはこの作品をやって本当に良かったと心から。鍛えられた数多のエロゲーマーをして魂の作品と謳われる本作はきっともう二度とはプレイできない、そういう瞬間を切り取れたことは僕の誇りとなりました。勧めていただいたフォロワーさん、ありがとうございました。PicaPica超超好きです。

下記は先日あげた感想記事です。長山香奈ーー!愛してるぞーーー!!

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シロナガス島への帰還

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旅の道屋制作のインディーゲーム。TwitterのTLで「Steamでセール中(350円!!!)」という情報が流れてきたのを発見し何の気なしに購入。サクラノ詩の骨休みに少し触れてみようかしらと、然したる期待をせずにプレイしてみるとあれよあれよとその日のうちにまさかの完走。短めの作品だったとはいえ侮れないまさに珠玉の一品。笑いあり涙ありの極上のミステリーADVでございました。お値段だけ見たら抜群の費用対効果ですよもう。ねね子をえいや、と思いっきり海に放り込んでみたらいったいどんな声で泣くんだろうなぁ(ゲス顔)。

当方インディーゲームというのはほとんど手を出してこなかった媒体でして。ニッチなジャンルのなかでも更に愛好家が限られる以上仕方のない部分ではありますが、このような良い出会いに繋がることが判明したわけですから今後はこっちにもアンテナを張っていきたいところです。最近はSF人狼ゲーム「グノーシア」が気になってますがSwitch持ってないのが痛いところ。PSvita版でもいいんですが、できればシステム周り強化されたやつがいいよなぁ…。Steamで出てくれないかなぁ…。

さくらの雲✳スカアレットの恋


「さくらの雲*スカアレットの恋」OPデモムービー

アメグレでの衝撃をもう一度、という期待感に満ちあふれてのプレイではありましたが…残念ながらこちらはややパワー不足だったと言わざるを得ません。キャラデザやシステム面など全体的な質の向上を見るに作品としての完成度は本作の方が仕上がっていてこちらを推す人がいるのも頷けるところではあります。ただやはり最大の魅力である「冬茜トム」という気鋭のライターが織り成す伏線回収の絶妙さが本作においては個人的にいまいち刺さらなかったことがつくづく残念。

あと付け足すのであれば、推理モノにしては後半の謎解きが強引だったのではと思います。また「大正ミステリイ」を謳い文句にしているものの前作「アメグレ」のほうがミステリーしていたのではないでしょうか。前作の常に逼迫感溢れるシナリオ構成は読み進める手が止まらないほどの没入感を演出してくれましたし、良い意味でも悪い意味でもアメグレと比較して穏やかな要素が際立っていたのが評価の別れ道だったのかしら。

ただエンディングの清涼感あるラストは見応えがありましたし、不覚にもウルッと来てしまうくらいの感慨を抱けたのは事実。次回作がいつ出るかはわかりませんがエロゲ界貴重なミステリの旗手としてこれからも期待したいと思います。

 

今回はこんなところかな。楽しい時間は終わりを見せない。