ROCK AND SYMPATHY -tribute to the pillows-
- アーティスト: V.A.
- 出版社/メーカー: avex trax
- 発売日: 2014/02/26
- メディア: CD
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気晴らしに実はまだ聴いてなかったthe pillowsトリビュートアルバム第2弾「ROCK AND SYMPATHY」を今更ながらレビューしてみる。
以下は収録曲/アーティスト
- White Ash/WHITE ASH
- この世の果てまで/グッドモーニングアメリカ
- インスタント ミュージック/9mm parabellum bullet
- Funny Bunny/Base Ball Bear
- スケアクロウ/WEAVER
- エネルギヤ/Scars Borough
- ノンフィクション/東京カランコロン
- 開かない扉の前で/カミナリグモ
- Fool on the planet/UNISON SQUARE GARDEN
- カーニバル/シュリスペイロフ
- Blues Drive Monster/a flood of circle
- ハイブリッド レインボウ/ふくろうず
- ストレンジ カメレオン/髭
- No Substance/THE BOHEMIANS
前回のトリビュートアルバム第1弾「SYNCHRONIZED ROCKERS」では、ミスチルやエルレなど有名どころを集めた、もう興奮しないわけがないラインナップから一転、今回は若手を中心に構成されています。…実は参加アーティストのほとんどを知らないんですよね。だからこそ今まで購入せず尻込みしてたとも言える。まぁ他にも色々ありましたし。それは後々語れる時に語るとして、最近になってpillows熱が再び高まりつつあるし、若手を知るのも良い機会と思ってようやっと購入した次第。バスターズの端くれとは思えんな。そんな言い訳じみた前置きはさておき、さっそくレビューに参ります。
- White Ash/WHITE ASH
なんでもこの曲がバンド名の由来なんだとか。良いセンスしてるじゃない、のび太くん(謎の上から目線)。原曲よりスローなテンポにも関わらずもたつくことなく、曲自体の緊張感そのままに後半は本来のどロック方面に展開していく。こういうのレイドバックって言うんでしたっけ?初っ端から良い味出してくれてます。
- この世の果てまで/グッドモーニングアメリカ
えらいフレッシュなこの世の果てまで。賛否両論ありそうなアレンジですが、個人的には面白かったんで肯定派。彼らのことまったく知らなかったんですが、ジャケ見たらそりゃはしゃぐよなぁって感じ。もっとやれ。もっとはしゃげグッドモーニングアメリカ。
- インスタントミュージック/9mm parabellum bullet
真面目なアレンジ。なにやらイケメン風(?)に聴こえてしまうインスタントミュージック。イケメンすぎて例のアレをブンブン振り回してるPVが想像できない。
- Fanny Bunny/Base Ball Bear
もうベボベがカバーするってなったらファニバニしかないんじゃないかっていうくらいに両者はとてもしっくりきます。悪く言えばあまりに妥当すぎてつまらないとも。
- スケアクロウ/WEAVER
- エネルギヤ/Scars Borough
サイケデリックなアレンジ。これまた曲のイメージがガラリと変わりますな。でも曲よりも「え、これ女性ボーカルなの!?」っていう印象が強い。無知ですまんな、Scars Borough
- ノンフィクション/東京カランコロン
この「ノンフィクション」はシングルでありながらシングルらしくない、遊び要素満載の曲であり、ぶっちゃけどうとでも弄れそうな感じが完全にカバー向きだと思うんですが、その期待に見事に応えてくれましたよ。イントロから遊び心全開で混成ボーカルも良い味出してます。ひっきりなしに楽器が鳴り響く様は聴いてて本当に楽しい。
- 開かない扉の前で/カミナリグモ
好き(直球)。第1期の隠れた名曲をここでぶっこんできましたよ。ピアノと電子音でキャッチーさを演出するも、pillowsさわおさん曰く「陰口みたいな」この曲本来の孤独感やいらだちを思わせるアレンジは素晴らしいの一言。そういえば時期的に鈴木純がサポートベースとして参加してるのか…(´;ω;`)ブワッ
- Fool on the planet/UNISON SQUARE GARDEN
なんだこの無駄にハイなFool on the planetは。ラリってるのか?(失礼)まさかここまでアッパーな感じに仕上げてくるとは思わなんだ。まさしくタイトル通り「地球の上のバカ」そのもの。素敵だ、素敵すぎるぞUNISON SQUARE GARDEN!
- カーニバル/シュリスペイロフ
ゾクゾクくるイントロのギターリフはあいも変わらず。まぁこの辺りは動かせんのでしょうよ。そこからも原曲通りかと思いきや、ギターソロはPeeちゃんの腰をグイングインさせるかのようなギターとは違いギョリギョリ言わす楽しい仕上がりに(な、なんて頭の悪い表現なんだ…)。さすがはシュリスペ宮本さん、本気出してきたな。
- Blues Drive Monster/a flood of circle
おお若い。アレンジがとてもエネルギッシュで爽快。「そこのけそこのけブルドラが通る」って感じのガツンと伝わるロックチューン。「世代交代」みたいなイメージと言えば伝わるだろうか。だってもう原曲聴くと懐かしく思えちゃうレベルだからね、仕方ないね。いやずっと好きなんですけどね。
- ハイブリッドレインボウ/ふくろうず
またまた賛否両論ありそうなフワフワしたアレンジだけど、こういうのも好きよ。BUMPで耐性ができたとも言える。まぁだからこそもっと遊んで欲しくはありました。
- ストレンジカメレオン/髭
一番好き、というか下手したら原曲より好きかもしれぬ。いやいやそんなバカな…そんな錯覚をしてしまうくらい、切なげでそれでいて不思議な高揚感のある雰囲気はもしかしたら原曲より伝わるんじゃなかろうか。聴いてて圧倒されるとはこういうものを言うのだろうか。pillowsの変遷をある程度知っているものとしては、ストレンジカメレオンはロック調よりもやっぱりバラードであってほしいと、そんな風に思うのです。
- no substance/THE BOHEMIANS
…これ音源持ってない人も大勢いると思うんだけど、それをカバーっていうのは果たしてどうなのだろうというわずかな疑問が。といってもライブでは馴染みの曲ではあるし、カバーもライブバージョンにしてあるところがある意味優しさ?これライブで聴いたら盛り上がるだろうなぁ。
- 総評
そもそもトリビュートアルバムの見所ってアーティストへのリスペクトは大前提として、曲そのものの良さをどこまで維持して、かつそのアーティストらしさを表現できるか。もしくはその曲らしさなんて何もかもぶち壊して、ただひたすらにそのアーティストらしさを表現できるか、のどちらかだと思うんです。当たり前ですよね、既存の曲通りならカラオケ聴いてるのとおんなじなわけですから。
どちらかというと後者の方が個人的には聴いてて楽しいわけですが、当然「この曲はこれ以上いじったらあかんで」と思う曲もあるのがなかなか曲者。その辺りがアーティストの腕の見せ所というやつか。
全体的には非常に素直なアレンジが目立った今回のトリビュートアルバム。選曲も前回と被っているものも何曲かあり、また前回のような構成からして完全に変えているインパクトのあるアレンジもさほどなく、そういったものを期待していた人には少々物足りなく思えたんじゃないでしょうか。
けれど素直なアレンジゆえにその曲本来の素晴らしさを改めて実感できますし、参加アーティストの方たちと同様に自分もpillowsを聴いて育ってきたんだと、仲間意識と言いますか、ある種の郷愁のような想いに駆られます。こういうのもたまには良いものだと思うのですよ、Thank you very much,I like you busters!
ちなみに今回のトリビュートはthe pillows結成25周年を記念してのもの。第1弾が15周年だったので、じゃあ次のトリビュートは35周年ということですな!(錯乱)
次回がもしあるのなら、その時こそスピッツの「この世の果てまで」とthe birthdayの「ぼくはかけら」をお願いしたいところ。
…その頃Peeちゃん還暦越えてるのかぁ。もはやおっさんバンドの呼称すら怪しくなってまいりました。